医療との連携は、その子を障がい者にしないため

教えて!ドクター
学校現場で医療等との連携が必要になったときの対処法
医療との連携は、その子を障がい者にしないため
~発達障害の子は、社会的、職業的、学業的に障害がなければ、本来、障害という病名にはならない~

鳥取大学名誉教授・山陰労災病院長 大野 耕策
構成:H.U

一 連携が必要になったときは、保護者への勧め方がポイント

まず、担任の先生が、「病院に行ってください」という言い方に気を付けなければいけません。
今までは、学校の先生が医療の必要性を感じたときに、
「障がいがあるから行きなさい。」
という言い方をされることがありました。このような言い方をされると、親御さんは絶対に医療機関を受診されません。
だから、上手く医療機関を受診してもらうためには、例えば

「Aくんは、ちょっと気になる行動があるんですけど、大野先生のところに行けば、色々と話を聞いてもらえて、良くしてもらえますから、ぜひ、行ってみませんか。」
というような言い方をしてもらうのが良いと思います。

二 チェックリストを活用する

受診されるとき、先生方にはチェックリストを提出してもらっています。文部科学省から出ている「学習」「注意欠陥・多動性障がい」「対人関係」のチェックリストです。
(*下図は、学習面のチェックリスト。いずれも文部科学省のHPからダウンロードできる。)

このチェックリストから、その子の勉強と生活の特徴が分かります。
最近は、学校との連携が取れるようになってきているので、先生方が、直接、医療が必要なお子さんの保護者に受診を勧めてくださるようになりました。

三 発達障がい=障害ではない

発達障がいの子は、社会的、職業的、学業的に障害がなければ、本来、障害という病名にはならないんです。
だから、社会的、職業的、学業的につまずかないように、支援していけば、それは、障がい者ではないわけです。
チェックリストで得点が高いからといって、注意欠陥・多動性障害という障害名になるのではなくて、診断を付けるのは、社会的、職業的、学業的に大きな問題があったときです。
社会生活ができるように、支援をしっかりして、社会性を身に付け、学業にも遅れがないようにすれば、それは、障害ではないんです。
だから、「みんなと一緒に高校に行けるようになったら、薬をやめようね。」などと話すこともあります。
つまり、
発達障がい=障害
ではないんです。

四 不登校の子供を医療に繫げる

それと、最近、ここ一年くらい、不登校の子供達を診察することが増えてきました。不登校の子供達の半分くらいは、医療と繋がることによって、(症状が)よくなると思っています。
不登校の子供達の中には、もともとベースに自閉スペクトラム症だとか、人一倍敏感な性格の子がいます。
だから、こういうお子さんが不登校になってしまうと、例えば自閉症スペクトラムの子は、ものすごいうつ状態である気分障害になったり、人一倍敏感な性格の子は、人に会うのが怖いとか、人前でしゃべるのが怖いとかいう不安障害になったりします。
気分障害、不安障害は、二次的な精神症状ですので、それを治療します。
それと同時に、学校とも連携し病弱学級に入級することで、再登校をはたした事例があります。

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